世界基準のローソク足分析「プライスアクション」

「プライスアクション」は、欧米の投資家が好んで使うローソク足分析法です。欧米の投資家がFXの主役であることから、「世界基準」のローソク足分析として役に立つと考え紹介します。監修:陳満咲杜氏

プライスアクションとは

○プライスアクションとは
「プライスアクション」(Price Action=値動き)は、為替レートの値動きの中にパターンや特徴・方向性を見つけ出し、将来の価格を予測する欧米流の罫線分析(チャート分析)法です。

移動平均線などのテクニカル指標が価格を計算式にあてはめて加工したものであるのに対して、プライスアクションはローソク足を使い、生の価格を分析対象にします。

○プライスアクションの理解が大事なのはなぜ?
トレンドの把握や売買判断には様々なテクニカル指標を利用しますが、最終的なエントリー(新規注文)やエグジット(利益確定・損切り)のタイミングには値動きそのものの分析が有効と考えられます。そのため、生の価格を分析対象とするプライスアクションの理解は精度の高いトレードをするために重要と考えられます。

○世界基準のローソク足分析
プライスアクションは欧米の投資家が好んで使います。FXの世界の主役が欧米の投資家であることから、プライスアクションはいわば「世界基準」のローソク足分析法と言えます。

※プライスアクションは他のテクニカル指標と併用することでトレードに有効に活用できます。

例えばGMMAチャートでトレンドの方向の判断や売買シグナルの確認を行い、実際のエントリー・決済の判断にはプライスアクションを合わせて確認することで、トレードの精度を向上させることができます。

高値・安値の更新力を重視する

プライスアクションでは高値・安値の更新力を重視して分析することでトレンドや値動きの強さを把握し、高値や安値のブレイクに乗る順張りの売買戦略をとることが基本です。

投資家の売買の結果値動きが発生し、その値動きによって投資家に利益・損失が発生します。

高値・安値の更新力を重視するのには、そこで売買した投資家が利益を得たか、損失を出したのかはローソク足の高値・安値や終値を比較することで分かるという考えが前提にあります。

高値・安値や終値の比較で投資家の損益が見えてくる

ローソク足チャート

・陽線の場合、始値で買っていた投資家や、安値で買えた投資家は利益が出ている。
逆に、始値で売っていた投資家や安値で売った投資家には損が出ている

・陰線の場合、始値で買っていた投資家や、高値で買ってしまった投資家は損失を出している。
逆に、始値で売っていた投資家や高値で売った投資家は利益が出ている。

▼ローソク足の見方
①ローソク足は、一定期間の「始値(はじめね)」「高値(たかね)」「安値(やすね)」「終値(おわりね)」の4本値を図形で表したものです。
②始値から終値までをローソク足の「実体(じったい)」として太線であらわし、実体より上の部分を「上ヒゲ」、下の部分を「下ヒゲ」という細い線であらわします。
③終値が始値より高い価格となったときは「陽線(ようせん)」という上昇を示すローソク足となり、逆に終値が始値より安い価格となったときは「陰線(いんせん)」という下落を示すローソク足となります。

トレンドの継続を確認する「スラスト」「ランウェイ」

「スラスト」(スラストアップ、スラストダウン)、「ランウェイ」(ランウェイアップ、ランウェイダウン)は、トレンドの継続を示すプライスアクションの基本パターンです。

これを使ってトレードするというよりは、トレンドの現状把握に活用するのが基本です。

「スラスト」(スラストアップ、スラストダウン)

○スラストアップ
・当日の終値が前日の高値を上回ることをスラストアップと言います。
※前日が陰線となるパターンもあります。

○スラストダウン
・当日の終値が前日の安値を下回ることをスラストダウンと言います。
※前日が陽線となるパターンもあります。

スラスト

○上昇トレンドの継続
・スラストアップが連続して発生し、高値が次々に切り上がっていくことが上昇トレンドの継続を示します。

スラストアップ

○下降レンドの継続
・スラストダウンが連続して発生し、安値が次々に切り下がっていくことが下降トレンドの継続を示します。

スラストダウン

・スラスト(thrust)は、「押し進む」という意味です。

「ランウェイ」(ランウェイアップ、ランウェイダウン)

○ランウェイアップ
・当日の高値が過去5日間(ローソク足5本分)の高値より高く、当日の安値が未来5日間(ローソク足5本分)の安値より低いとき、 ランウェイアップと言い上昇トレンドの強さと、トレンド継続の明確さを示します。
※一般的に、前後5日間(5本分)と比較します。

ランウェイアップ
※ランウェイアップの多くがスラストアップとなります。
※ランウェイアップはローソク足の実体が長い「大陽線」となることが多い。

○ランウェイダウン
・当日の安値が過去5日間(ローソク足5本分)の安値より低く、当日の高値が未来5日間(ローソク足5本分)の高値より高いとき、 ランウェイダウンと言い下降トレンドの強さと、トレンド継続の明確さを示します。
※一般的に、前後5日間(5本分)と比較します。

ランウェイダウン
※ランウェイダウンの多くがスラストダウンとなります。
※ランウェイダウンはローソク足の実体が長い「大陰線」となることが多い。

・ランウェイ(runway)は、「滑走路」を意味し、一方向に価格が動くイメージを表しています。

トレンドの転換を示す「スパイク」「ピンバー」「リバーサル」

「スパイク」「ピンバー」「リバーサル」は、いずれも相場の天井や底に発生しやすく、トレンドの転換を示すプライスアクションのシグナルです。

「スパイク」(スパイクハイ・スパイクロー)

○スパイクハイ
・上昇トレンドの発生が確認されている状態で、前後数日よりも高値が明らかに突き抜けて高く、終値が安値に近い「上ヒゲの長いローソク足」をスパイクハイと言い、トレンド転換の強いシグナルとなります。

スパイクハイ

○スパイクロー
・下降トレンドの発生が確認されている状態で、前後数日よりも安値が明らかに突き抜けて低く、終値が高値に近い「下ヒゲの長いローソク足」をスパイクローと言い、トレンド転換の強いシグナルとなります。

スパイクロー

・スパイク(spike)は、「先の尖ったもの」や「大クギ」を意味し、ヒゲの長いローソク足の形からきています。

ピンバー

ピンバーは、スパイク同様極端な上ヒゲや下ヒゲを持ちトレンド転換の可能性を示す強いシグナルです。スパイクと違ってピンバーにはローソク足の実体部分がほとんど無いことが特徴です。

ピンバー上昇
ピンバー下降
※終値が極端な高値・安値から遠いほど、トレンド転換の可能性が高いと考えられています。
※ピンバーが出るまでの上昇・下降トレンドが長ければ長いほど、ピンバーが出たときのトレンド転換の可能性は高くなると考えられています。

・ピンバーのピン(pin)は、「頭つきのピン」「留め針」を意味し、バー(bar)は「棒」です。ピンバー(pin bar)で「針のような細長い棒」といった意味で、実体がほとんどなローソク足の形からきています。

「リバーサル」(リバーサルハイ・リバーサルロー)

○リバーサルハイ
・上昇トレンドの発生が確認されている状態で、前日の高値を更新したものの失速して反転し当日の終値が前日の終値や安値を下回るとき、「リバーサルハイ」と言いトレンドの転換の可能性を示します。

リバーサルハイ

○リバーサルロー
・下降トレンドの発生が確認されている状態で、前日の安値を更新したものの下げ止まって反転し当日の終値が前日の終値や高値を上回るとき、「リバーサルロー」と言いトレンドの転換の可能性を示します。

リバーサルロー

・リバーサル(reversal)は、「反転」「逆戻り」を意味します。

インサイド・アウトサイドのブレイクアウト戦略

トレンド発生中の「インサイド」「アウトサイド」は、トレンドのスピード調整を示します。

高値を更新したら追随買い、安値を更新したら追随売りというトレンドフォローのブレイクアウト戦略のシグナルとして活用できるプライスアクションです。

○インサイド
・当日のローソク足が、前日のローソク足の高値安値の範囲内に納まっている状態がインサイドです。

次のローソク足が、発生中のトレンドの方向にインサイドの高値・安値をブレイクしたらトレンドの方向で取引をするブレイクアウト戦略のシグナルとして活用できます。

インサイド

○アウトサイド
・前日のローソク足が、当日のローソク足の高値安値の範囲内に納まっている状態がアウトサイドです。

アウトサイドの当日のローソク足が、発生中のトレンドの方向に前日の高値・安値をブレイクしたらトレンドの方向で取引をするブレイクアウト戦略のシグナルとして活用できます。インサイドと違い、アウトサイドは当日のローソク足で判断が可能です。

アウトサイド

※範囲内に収まっているローソク足の本数が多いほど、ブレイクしたときのシグナルは強くなると考えられます。

「ダマシ」の発生が反対方向への値動きを加速させる

一般に、テクニカル指標でダマシが発生しシグナルの予測が外れることは、マイナスに考えられがちです。欧米のテクニカル分析では、「ダマシこそ最大かつ最高のシグナル」という教えも存在するほど、有効に活用にできるものとして考えられています。

「フェイクセットアップ」「フォールスブレイクアウト」は、プライスアクションの予測が「ダマシ」に終わったとき、ダマシによって反対方向への値動きが加速する傾向を狙ったプライスアクションのシグナルです。

なぜ「ダマシこそ最大のシグナル」なのか?

多くの投資家は、テクニカル指標のシグナルに従って取引を行います。そのシグナルがダマシに終わったとき、投資家は急いで決済取引の反対売買を行うため、反対方向への値動きが加速します。

こういった投資家心理を踏まえて、テクニカル指標の「ダマシ」によって生まれた反対方向への値動きを新たなシグナルとして活用するのが欧米流のプライスアクションの考え方です。

フェイクセットアップ

レンジ相場において、ザラ場で一旦一方向にブレイクしたものの、ローソク足の長いヒゲとなり(終値はレンジの内側に戻り)ブレイクが「ダマシ」に終わったとき、

レンジのブレイク時に取引した投資家の損切りによって今度は反対方向への値動きが加速する、という現象のことを「フェイクセットアップ」と言います。

フェイクセットアップ

フェイク(fake)は「見せかける」「偽者」という意味です。

フォールスブレイクアウト

フォールスブレイクアウトは、フェイクセットアップよりも長いスパンで起こるダマシに注目したものです。

これまでの特に重要なサポートラインやレジスタンスラインをザラ場で一旦一方向にブレイクしたものの、ローソク足の長いヒゲとなり(終値はレンジの内側に戻り)ブレイクが「ダマシ」に終わったとき、

ブレイク時に取引した投資家の損切りによって今度は反対方向への値動きが加速する、という現象のことを「フォールスブレイクアウト」と言います。

フォールスブレイクアウト

フォールス(false)は「間違った」「いつわりの」という意味です。

プライスアクション表示インジケーター「FXTF Price Action」

     

FXTF MT4には、プライスアクションのサインをチャートに表示できるオリジナルインジケーター「FXTF Price Action」が初期搭載されています。ナビゲーターウィンドウからインジケーターをチャートにドラッグ&ドロップでチャートに表示可能です。

既にMT4をインストール済みの方は、FXTF MT4を再インストールするか、マイページから個別にインジケーターをダウンロードして設定をお願いします(マイページ⇒MT4タブ⇒オリジナルツール)。
※オリジナルツールはPCインストール版MT4のみで利用できます。

○インジケーターの表示について
プライスアクション表示インジケーター「FXTF Price Action」は、本ページで紹介する基本的なプライスアクションのサインを表示します(スラスト、ランウェイ、ピンバー(スパイク)、インサイド・アウトサイド、リバーサル)

プライスアクションの見方

●インジケーター「FXTF Price Action」のパラメータ設定について
・MaxHistory (初期値300)
プライスアクションサインを表示するローソク足の本数を指定します。数字が大きすぎると処理に時間がかかる可能性があります。
・Minimal HighLowSpread/Body value (初期値2.2)
スパイク(ピンバー)の判定基準を指定します。値2.2のとき、上ヒゲ~下ヒゲまでの値幅(高値~安値の値幅)が、ローソク足の実体箇所(始値~終値の値幅)の2.2倍以上ならスパイクと判定します。値が大きいほど実体に対してヒゲがより長いローソク足のみをスパイクと判定し、値が小さいと短めのヒゲでもスパイクと判定します。
・Minimal Bigger Tail/(HighLowSpread-BiggerTail) value (初期値1.3)
スパイク(ピンバー)の判定基準を指定します。値1.3のとき、上ヒゲ(下ヒゲ)の長さが、上ヒゲ(下ヒゲ)を除いた値幅の1.3倍上(下)により長く突き抜けているときにスパイクと判定します。値が大きいほど片側のヒゲ(上ヒゲ or 下ヒゲ)がより長いもののみをスパイクと判定し、値が小さいとヒゲの長さの偏りがあまり無くてもスパイクと判定されます。

●リバーサルについて
リバーサルローはそれまでの下降トレンドを切り返したときに出現し、リバーサルハイはそれまでの上昇トレンドから反落するときに出現します。トレンドの判定は、ハイロー・アクティベーターの基準で判定します。トレンドの条件に合致しないとき(水平のレンジ相場からの下抜け⇒反転上昇など)は、通常の「アウトサイド」と判定されます。
参考: ハイロー・アクティベーターについて

事例で紹介

下図は、トランプラリー初動で明確に出ていたプライスアクションのシグナル表示例です。
シグナルの詳しい解説については、陳満咲杜セミナー「FXプライス・アクション理論」を視聴下さい。

プライスアクションの事例

【監修】陳満咲杜氏プロフィール

陳満咲杜 陳 満咲杜(ちん まさと)
(株)陳アソシエイツ代表取締役
大学時代より株投資を開始。中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク・マネージングディレクター、イーストヒルジャパン・ チーフアナリストを経て独立。

日本、中国、台湾地域をカバーした執筆、講演、情報サービス、投資家教育などの活動に取り組んでいる。ザイFX!コラム二ストとして2009年から執筆。4年超にわたって放送された「陳満咲杜のFXトレンドの真実」(ラジオNIKKEI)は好評を博す。FXスクールジャパン(fxschool.jp)主宰。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。
著書は『勤勉で勉強家の日本人がFXで勝てない理由』『着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実』『FXプライスアクション成功の真実』『FX最強チャートGMMAの真実』など多数。

陳満咲杜氏のサイト:
・陳満咲杜Twitter:https://twitter.com/chinmasato
・陳満咲杜オフィシャルサイト:陳アソシエイツ
・陳満咲杜主宰のFXスクール:FXスクールジャパン(fxschool.jp)
・ザイFXコラム:陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」(毎週金曜日更新)