チャートパターンをトレードに活用する方法

チャートパターンは、トレンドライン・トレンド分析と同じくFX初心者にとっては最も基本的なチャート分析の方法です。ここでは、チャートパターンを実際の売買に活用する方法を、ヘッド・アンド・ショルダーズや三角形など代表的なパターンを例に解説します。

1.チャートパターンとは

チャートパターンは、2本の直線に挟まれた相場の形を基に将来の価格を予測するチャート分析方法です。トレンドライン(サポート・レジスタンス)・トレンド分析と同じく一般的なチャート分析の方法です。

▼本コンテンツを見る前に▼
「トレンドラインの引き方とトレードへの活用方法」では、トレンドラインの引き方や、トレンド分析を実際の売買に活用する方法を解説しました。

トレンドフォロー(順張り)ブレイクアウトといった売買手法の解説や、チャートパターンの基本的な考え方や各パターンの紹介も合わせてしていますので、本コンテンツの前に見ておくことをおすすめします。

1-1.チャートパターンは大きく分けて2種類

通常チャートパターンは、相場の上側にあるレジスタンスラインと、相場の下側にあるサポートラインの2本の線に挟まれた相場の形を分析してパターン化したものです。チャートパターンには、三角形やダブル・トップなど、形によって15近いパターンがあり、特徴から大きくAとBの2種類に分けられます。

Aは、三角形やチャンネルのように、2本の線が傾いているもので、Aはトレンドを表すパターンです。一方、

Bは、ダブル・トップやヘッド・アンド・ショルダーのように、1本または2本の概ね水平な直線でできているもので、Bは揉み合いを表すパターンです。

2.トップ/ボトム・パターンとフラッグ・パターン

2種類のチャートパターンのうち、Bの「揉み合い」のパターンから、ダブルトップ/ダブルボトム、トリプルトップ/トリプルボトム、フラッグ・パターンを紹介します。

どちらも、揉み合い相場からの放れ(ブレイクアウト)となる相場の形に注目したものです。

2-1.ダブルトップ(ダブルボトム)とトリプルトップ(トリプルボトム)

ダブルトップ・トリプルトップのパターンを解説します。上昇を下落、トップをボトムに入れ替えればそのままダブルボトムやトリプルボトムになります。

まず、おおむね同じ価格の2点のレジスタンスと、その間に挟まれた1点のサポートが確認できた場合、2点目のレジスタンスから相場がそのまま反落し、2点目のサポートに達した時(ブレイクポイントに達した時)にダブルトップ・パターンが完成します。

ダブルトップの大前提として、W(ダブル)の揉み合いに突入する前の相場が上昇だったことが必要で、その上昇が長ければ長かった程理想的な形です。

2-1-1.ブレイクしてはじめて反転パターンになる

ダブルトップが完成した時点では、揉み合いの代表的なパターンである長方形(レクタングル)パターンと何一つ変わらないことが判ります。

つまり、ダブルトップの完成そのものが相場が反転するパターンではなく、サポートを下方にブレイクして初めて反転(リバーサル)のパターンとなります。

2-1-2.基本的にはどれも揉み合いの長方形(レクタングル)

まとめると、上昇してきた相場が一旦水平に揉み合い始め、たまたま2回目のサポートが維持できずに下方向へブレークした場合を指してダブルトップ・パターンといい、3回目ならトリプルトップ・パターンといいます。

基本的にはどれも揉み合いの長方形(レクタングル)だと理解できます。長方形パターンのなかの一部特殊なケースにダブルトップやトリプルトップという名前が付いただけ、と考えた方がシンプルです。また、そう考えるほうが、揉み合いが継続する可能性も意識できると思います。

ダブルトップ

ダブル・トリプルだけ名前がついているのはどうして?
ダブル・トリプルだけ名前がついているのは、4トップ、5トップと連続することもありますが際限が無く、またそれだけ揉み合いが長いと、揉み合いに入る前の上昇相場から時間が経過しすぎてしまい、単なる長方形(レクタングル)の放れ(ブレイクアウト)になってしまうからだと思われます。

2-2.フラッグ・パターン

上昇相場から揉み合いに入り、その揉み合い相場を下にブレイクせず、上にブレイクした場合は、最初の上昇相場を継続したことになります。これが、揉み合い部分の長方形(レクタングル)・パターンを旗に見立てたフラッグ・パターンです。

こちらもレジスタンスに到達した時点で完成となり、上にブレイクして初めて上昇を継続したことになる点は、ダブルトップのときと同じです。また、フラッグの揉み合い相場が角度の浅いチャンネルになっていても特に問題はありません。また、フラッグ・パターンでは揉み合いで上下に振れる回数は特に決まっていません。

フラッグ

2-3.トップ・ボトムのパターンとフラッグパターンの共通点と相違点

ダブルトップ(トリプルトップ)・パターンやフラッグ・パターンは、長方形(レクタングル)・パターンがいつ、どちらの方向にブレイクしたかに注目しただけです。

上昇相場→揉み合い→下にブレイクすればダブルトップ(トリプルトップ)
  ※上昇トレンドが反転

上昇相場→揉み合い→上にブレイクすればフラッグ
  ※上昇トレンドが継続

やはりどちらも揉み合いからの放れ(ブレイクアウト)と考えたほうがシンプルです。

揉み合い相場からブレイクアウト(放れ)するときの売買方法や注意点については、
「トレンドラインの引き方とトレードへの活用方法」で解説していますので、そちらをご覧下さい。

3.ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム(トップ)

次に、最も有名でポピュラーなヘッドアンドショルダーズのうち、ボトム・パターンを例に詳しく紹介します。トップのパターンは全て反対に読み替えることができます。

ボトム・パターンの共通点は、下落相場が起点になっていることです。起点となる下落相場が長く、深い方がより強いボトムの可能性があります。

3-1.ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトムとは

ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム・パターンは、図のように1点の深い安値Sの両側に、小さな安値と高値が1点ずつ出来上がり、最後の安値S2からレジスタンスラインまで反発した時点で、パターンの完成となります。

そして、このレジスタンスを上にブレイクして初めて、起点の下落相場が上昇反転したことになるのは、ダブルトップの時と同じです。

ヘッド・アンド・ショルダーズ

3-2.リバーサル(反転)パターンとして有名

ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム・パターンは、リバーサル(反転)パターンとして非常に有名です。

先ず、最初のサポートS1を、B1で下へブレイクした後、再びB2で上に抜き返している状況は、明らかに下落のブレイクアウトに失敗したことを意味しています。

起点の強い下落相場が、急激に弱くなった可能性を推測することができますが、たとえB2でブレイクバックされても(ブレイクに失敗して元に戻ってきても)、R2で上昇がギリギリ留まったことで、上昇相場にはまだ転じていない状況です。

しかし、S2から反発した時点で、S1-S2のサポートラインが確定すると同時に、S-S2のサポートラインも完成することで、2通りの水準に強いサポートが出来たことになります。

その上で、反発を2度抑えてきた強いレジスタンスラインを上に抜いたとなると、起点の下落相場が否定されるばかりか、Sのボトムを起点とした上昇相場が肯定されてしまうことになり、かなりの上昇要因が発生したと考えるのが自然です。

R1とR2を結んだレジスタンスラインを「ネックライン」と呼ぶように、この水準は非常に重要です。

4.三角形(トライアングル)・パターン

チャートパターンの中でも有名な三角形・パターンを、長方形(レクタングル)・パターンを元に考えて見ます。

レクタングル・パターンは、サポートとレジスタンスがほぼ水平な、典型的な揉み合いパターンでしたが、こんな状況が長く続くと売り手・買い手ともにしびれが切れて、誰もが先を急ぐように手前手前で売買しようと考えるかもしれません。

そうなると、レジスタンスラインは次第に低くなり、サポートラインは次第に高くなることで結果的に三角形が出来上がります。

つまり、レクタングル・パターンが更に煮詰まると、上下対称の三角形・パターンになり、揉み合いの範囲内で最も上昇側にかたよると上昇の三角形、最も下落側にかたよった形が下落の三角形になる事は想像が付くと思います。
三角形(トライアングル)・パターン

5.ウェッジ・パターン

Apex(頂点・・・この場合は相場の進行方向にできる)が水平のレジスタンスやサポートの外側に出て、両方のラインが同じ傾きとなった場合をウエッジ・パターンといいます。

揉み合い相場を抜けてトレンド相場となり、トレンドの方向性に反する逆張りの売買は禁じ手になります。

ウェッジ・パターン

5-1.上昇ウェッジと下落ウェッジ

ウエッジ・パターンは上昇相場や下落相場の途中に現れ、三角形パターンより小ぶりなものを見て「トレンド継続のパターン」として捉える場合もあります。上昇ウエッジは下落相場の継続、下落ウエッジは上昇相場の継続という見方です。

ただし大小の判別は個人差もあるため、放れた方向が元と同じならトレンド継続パターン、反対ならトレンドが反転した、とシンプルに考えたほうが理解しやすくなります。

上昇相場や下落相場が中断してあらわれた揉み合い相場を「調整」と考えた場合、調整中は元の相場方向と反対に推移しがちであって、明確なウエッジは角度がきついため、傾きが加速する方向へブレークする余地が少ないことは確かで、結果的にトレンドが継続パターンに落ち着く確率が高くなると考えられます。

上昇・下降ウェッジ・パターン

6.ペナント・パターン

正三角形・パターンの小ぶりなケースを特にペナント・パターンとする場合があります。期間が短い間に形を作るような場合、特にペナントとして扱われる傾向があるようですが、意味合いは正三角形パターンと同じと考えても問題ありません。

6-1.トレンドが継続するのか、ブレイクアウトするのか

三角形パターンでは、上下どちらかにブレイクアウトした方に相場が進みやすいとされていますが、

逆に、三角形のサポートとレジスタンスを最終的に抜けることが確認できるまでは、揉み合い相場が継続している可能性があると考えた方が「ダマシ」に合うリスクは大きく下がると思われます。

また、幾ら正三角形などが揉み合いのパターンだったとしても、三角形は次第に高値安値の値幅が狭まっていくため、いつまでも揉み合いを想定した売買を続けても収益性が落ちるだけです。パターンの中盤以降は、基本的にブレークアウトを意識した方が収益の上でも良いと考えられます。

ペナント・パターン

7.最後に

ここまで、サポートラインとレジスタンスラインの2本の線(トレンドライン)で構成されたチャートパターンを中心に、レジスタンスやサポートを活用した売買方法を詳細に解説してきました。

一つはレジスタンスやサポートに従って売買するトレンド・フォロー(順張り)の方法と、トレンドが崩れた場合のブレイクアウトに従って売買する方法です。

7-1.基本は長方形(レクタングル)からの変形

最後にもう一度確認しておきたいことは、
サポートとレジスタンスの2本の線(トレンドライン)でできたほとんどのパターンは、その間の部分は長方形(レクタングル)が変形した揉み合いになっており、レジスタンスの上側へ放れる(ブレイクアウトする)動きは上昇相場、サポートの下側へ放れる動きは下落相場と捉えるのが全ての基本となります。

7-2.トレンドの方向に反する逆張りは危険

またもう一点最後に確認したいことは、トレンド・パターンの揉み合いでは、逆張りの売買は大変危険であり、また、揉み合いが三角形である場合は次第に高値安値の値幅が狭まることから、いつまでも揉み合いを想定していくよりは、中盤以降は基本的にブレイクアウトを意識した方がよい、ということです。