バイナリーオプションの権利と義務/利益と損失

バイナリーオプションやプレーンオプションの権利と義務、利益と損失の関係について解説します。損失は限定的であっても、過度な投機とならないよう、バイナリーオプションを行う際は自身の収入や資産を踏まえ、節度ある投資を心掛ける必要があります。

権利と義務

オプションの買い手は、プレミアム(オプション料)を払って、原資産を「買う権利」または「売る権利」を買い、 自分に有利な時だけ権利行使をし、不利な時には権利を放棄することができます。
買い手は権利行使をしても、しなくても、オプションの売り手にプレミアムを支払わなければならず、権利を放棄した場合には、オプションの売り手との間での原資産の売買は成立しません。
一方でオプションの売り手は、買い手が権利を放棄した場合でも、買い手からプレミアムを受け取ることができる代わりに、オプションの買い手が権利行使をした際には履行義務があります。

取 引
コールの買い手 プレミアムを払って原資産を買う権利を買う。(買う義務はない)
プットの買い手 プレミアムを払って原資産を売る権利を買う。(売る義務はない)
コールの売り手 プレミアムを受け取って原資産を買う権利を売る。(売る義務を負う)
プットの売り手 プレミアムを受け取って原資産を売る権利を売る。(買う義務を負う)

オプションの権利行使時については、大別して以下の2つのタイプがあります。

ヨーロピアンタイプ オプションの期日時点でのみ権利行使が可能なもの
アメリカンタイプ 権利行使期間内であればいつでも権利行使ができるもの

権利行使については、自動権利行使制度がとられている場合もあります。自動権利行使制度とは、権利行使期間内に権利行使の申出のなかったイン・ザ・マネーのオプションについて、買い手から権利放棄の意思表示のないかぎり、権利行使の申出があったものとして取り扱うというものです。

利益と損失の関係

オプションの利益と損失の関係は下の表のようになります。
通常のオプション(プレーンオプション)の場合、買い手は権利放棄することもできるので、最大損失額はプレミアムに限られます。 また、利益額は原資産価格と権利行使価格の差からプレミアムを引いた額となります。
一方、売り手は、利益額はプレミアムに限られ、損失額は無限大となります。
損益図が示す通り、通常のオプション(プレーンオプション)の買い手の利益、売り手の損失は、当初支払った(または受け取った)オプション料の何倍にもなる可能性があります。
このように少額の取引が数倍の損益となることをレバレッジ効果といいます。
バイナリーオプションの場合、買い手の最大損失額は購入金額に限られ、利益額はペイアウト金額から購入金額(プレミアム)を引いた額となります。
一方、売り手は、買い手の購入金額が利益額となり、ペイアウト金額からプレミアムを引いた額が損失額となります。
ペイアウト金額は予め定められた金額であるため、損益図が示す通り、バイナリーオプションの買い手・売り手とも利益も損失も限定されます。

オプション取引の損益表 判定時刻 クリックして
下さい
権利行使価格<原資産価格 権利行使価格>原資産価格
プレーン
オプション
買い手 コール 利益(無限 損失(限定) 権利行使価格100円、プレミアム5円のコールオプション買い付けた場合の損益図
プット 損失(限定) 利益(無限 権利行使価格100円、プレミアム5円のプットオプション買い付けた場合の損益図
売り手 コール 損失(無限 利益(限定) 権利行使価格100円、プレミアム5円のコールオプション売付けた場合の損益図
プット 利益(限定) 損失(無限 権利行使価格100円、プレミアム5円のプットオプション売付けた場合の損益図
バイナリー
オプション
買い手 コール 利益(限定) 損失(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリーコールオプションを3,000円で買い付けた場合の損益
プット 損失(限定) 利益(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリープットオプションを3,000円で買い付けた場合の損益図
売り手 コール 損失(限定) 利益(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリーコールオプションを3,000円で売付けた場合の損益図
プット 利益(限定) 損失(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリープットオプションを3,000円で売付けた場合の損益図

プレミアムは、利益が得られる可能性が高いほど高く、確率が低いほど安いため、常に安いオプションを買うことが有利とは言えません。
また、バイナリーオプションの売り手は、損失が限定されておりますが、プレミアムがリスクの対価として見合った金額に設定されているため、プレーンオプションと比べてローリスク・ハイリターンな取引とは言えません。

オプション価格 権利行使できる確率
オプション価格 権利行使できる確率

バイナリーオプションの特徴とリスクについて

バイナリーオプションでは、買い手の最大損失額は購入金額(プレミアム)であり、売り手の最大損失額は、あらかじめ定められたペイアウト金額からプレミアムを引いた額であるため、買い手・売り手ともに損失が限定的であると言えます。
損失は限定的であっても、過度の投機的な取引とならないよう、バイナリーオプション取引を行う際は、自身の収入や資産を踏まえ、節度ある取引を心掛けて投資する必要があります。

【FX取引との比較】
FX取引、バイナリーオプション取引ともにメリット・デメリットがあるため、どちらが有利・不利とは言えません。

バイナリーオプション 高い利益率 / FX取引 少額の利益

バイナリーオプション 投資金額の全額を失う / FX取引 少額の損失

期待収益率について

バイナリーオプションの期待収益率は、「ペイアウトを受ける確率xペイアウト倍率」で求められます。

取引回数 1回目 2回目 3回目 4回目 合計
購入金額 2,500円 2,500円 2,500円 2,500円 10,000円
判定 × ×
ペイアウト 4,750円 4,750円 0円 0円 9,500円
収益率
0.95倍

例えば、左の表のように2,500円のオプションを4回買い、ペイアウト1.90倍を受ける確率が50%とすると、10,000円購入に対し、9,500円のペイアウトとなり、収益率は0.95倍となります。

これは下記のように計算することができます。
期待収益率=ペイアウトを受ける確率xペイアウト倍率=50%x1.90倍=0.95倍

その他のリスク

オプション取引についても、取引所取引と店頭取引がありますが、店頭取引の特徴として以下の点が挙げられます。

●業者とお客様との間の相対取引であり、商品の内容は業者によりそれぞれ異なります。
●オプションの価格は複数の要素に基づき相対取引で決まります。
●同一条件のオプションでも業者により価格が異なる可能性があります。
●業者の破綻により権利行使が行えない可能性があります(信用リスク)。

オプション価格のスプレッドについて
オプションを買う価格と転売する時の価格には、スプレッドという価格差があります。
オプションの満期が近づくと、売り手のリスクプレミアムが上昇することから、スプレッドは広がる傾向にあります。

業者は、適切な取引価格をお客に提示する義務があり、お客様から取引価格についてクレーム等があった場合は、価格データを提示します。また、業者とお客様の間で処理し切れないトラブルをスムーズに解決するための裁判外紛争解決手続きの窓口として、特定非営利活動法人「証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」を利用できます。