バイナリーオプションのヘッジと投資戦略

バイナリーオプション(エキゾチックオプション)やプレーンオプションの売買の仕組みやヘッジ、投資戦略について詳しく解説します。オプションでは、コールとプットを組み合わせることで様々な投資戦略を立てることが可能です。

売買の仕組み

オプションでは、
判定時刻に権利行使価格よりも原資産価格が上昇していることを予想する場合は、
「コールオプションの買い」または「プットオプションの売り」を行います。
判定時刻に権利行使価格よりも原資産価格が下落していることを予想する場合は、
「プットオプションの買い」または「コールオプションの売り」を行います。

以下はオプションの損益表になります。

オプションの損益表 判定時刻 クリックして
下さい
権利行使価格<原資産価格 権利行使価格>原資産価格
プレーン
オプション
買い手 コール 利益(無限 損失(限定) 権利行使価格100円、プレミアム5円のコールオプション買い付けた場合の損益図
プット 損失(限定) 利益(無限 権利行使価格100円、プレミアム5円のプットオプション買い付けた場合の損益図
売り手 コール 損失(無限 利益(限定) 権利行使価格100円、プレミアム5円のコールオプション売付けた場合の損益図
プット 利益(限定) 損失(無限 権利行使価格100円、プレミアム5円のプットオプション売付けた場合の損益図
バイナリー
オプション
買い手 コール 利益(限定) 損失(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリーコールオプションを3,000円で買い付けた場合の損益
プット 損失(限定) 利益(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリープットオプションを3,000円で買い付けた場合の損益図
売り手 コール 損失(限定) 利益(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリーコールオプションを3,000円で売付けた場合の損益図
プット 利益(限定) 損失(限定) 権利行使価格100円、ペイアウト金額10,000円のバイナリープットオプションを3,000円で売付けた場合の損益図

プレーンオプションの買い手

コールオプションの買いは、権利行使価格にオプション料を加算した価格が損益分岐点になります。

以下は一例になります。

権利行使価格100円、オプション料5円のコールオプションを購入した場合は、権利行使価格100円にオプション料5円を加算した105円が損益分岐点になります。
損益分岐点=権利行使価格+オプション料(プレミアム)
・利益(無限)=原資産価格-損益分岐点
・損失(限定)=最大でもオプション料(プレミアム)のみ 

■コールオプションの買いの損益図

コールオプションの買いの損益図

プットオプションの買いは、権利行使価格からオプション料を減算した価格が損益分岐点になります。

以下は一例になります。

権利行使価格100円、オプション料5円のプットオプションを購入した場合は、権利行使価格100円からオプション料5円を減算した95円が損益分岐点になります。
損益分岐点=権利行使価格-オプション料(プレミアム)
・利益(無限)=損益分岐点-原資産価格
・損失(限定)=最大でもオプション料(プレミアム)のみ 

■プットオプションの買いの損益図

プットオプションの買いの損益図

バイナリーオプションの買い手

判定時刻に原資産価格が権利行使価格よりも上昇していると予想する場合
バイナリーコールオプションを買い付けます。
判定時刻に原資産価格が権利行使価格よりも下落していると予想する場合
バイナリープットオプションを買い付けます。

バイナリーオプションの買い手

バイナリーオプションの売り手

判定時刻に原資産価格が権利行使価格よりも上昇していると予想する場合
バイナリープットオプションを売付けます。
判定時刻に原資産価格が権利行使価格よりも下落していると予想する場合
バイナリーコールオプションを売付けます。

バイナリーオプションの売り手

ヘッジについて

ヘッジとはリスクを減少させるためにとられる行動のことで、買い方の値下がり損や売り方の値上がり損を防ぐため、保有しているポジションの逆のポジションを保有する保険的な行為です。ここでは、プレーンオプションやバイナリーオプションのヘッジの方法・仕組みについて詳しく解説します。

ヘッジの方法

FXの買いは、原資産の価格下落により損失が増加します。今後の価格下落によるリスクを軽減(ヘッジ)するためには、原資産の価格が下落するほど利益が増えるプットオプションを取得します。

FXの買い

利益(無限)…価格が上がるほど利益が増えます。
損失(無限)…価格が下がるほど損失が増えます。

■FXの買いの損益図

FXの買いの損益図

プットオプションの買い

利益(無限)…権利行使価格-オプション料より原資産価格が下がるほど利益が増えます。
損失(限定)…オプション料が最大損失になります。

■プットオプションの買いの損益図

プットオプションの買いの損益図

FXの買い+プットオプションの買い

利益(無限)…価格が上がるほど利益が増えます。(FXの利益-オプション料)
損失(限定)…価格が下がっても損失は限定されます。
⇒プレーンオプションでのヘッジはヘッジ対象資産の損失を軽減させることができます。(下図参照)

■FXの買い+プットオプションの買いの損益図

FXの買い+プットオプションの買いの損益図

FXの売りは、原資産の価格上昇により損失が増加します。今後の価格上昇によるリスクを軽減(ヘッジ)するためには、原資産の価格が上昇するほど利益が増えるコールオプションを取得します。

FXの売り

利益(無限)…価格が下がるほど利益が増えます。
損失(無限)…価格が上がるほど損失が増えます。

■FXの売りの損益図

FXの売りの損益図

コールオプションの買い

利益(無限)…権利行使価格+オプション料より原資産価格が上がるほど利益が増えます。
損失(限定)…オプション料が最大損失になります。

■コールオプションの買いの損益図

コールオプションの買いの損益図

FXの売り+コールオプションの買い

利益(無限)…価格が上がるほど利益が増えます。(FXの利益-オプション料)
損失(限定)…価格が下がっても損失は限定されます。
⇒プレーンオプションでのヘッジはヘッジ対象資産の損失を軽減させることができます。(下図参照)

■FXの売り+コールオプションの買いの損益図

FXの売り+コールオプションの買いの損益図

バイナリーオプションでFXの買いポジションによる今後の価格下落によるリスクを軽減(ヘッジ)するためには、原資産の価格が下落すると利益となるバイナリープットオプションを取得します。

FXの買い

利益(無限)…価格が上がるほど利益が増えます。
損失(無限)…価格が下がるほど損失が増えます。

■FXの買いの損益図

FXの買いの損益図

バイナリープットオプションの買い

利益(固定)…判定時刻に原資産価格<権利行使価格の場合、ペイアウト金額-オプション料が利益になります。
損失(固定)…判定時刻に原資産価格≧権利行使価格の場合、オプション料が損失になります。

■プットオプションの買いの損益図

プットオプションの買いの損益図

FXの買い+バイナリープットオプションの買い

利益(無限)…価格が上がるほど利益が増えます。(FXの利益-オプション料)
損失(無限)…価格が下がるほど損失が増えます。(FXの損失+(ペイアウト金額-オプション料))
⇒バイナリーオプションでのヘッジはヘッジ対象資産の損失の一部を補うことができます。(下図参照

■FXの買い+バイナリープットオプションの買いの損益図

FXの買い+バイナリープットオプションの買いの損益図

プレーンオプションとバイナリーオプションのヘッジの違い

プレーンオプションでヘッジを行った場合は、ヘッジ対象資産の損失を限定することができますが、バイナリーオプションをヘッジに利用した場合は、利益(ペイアウト)が固定されているので、ヘッジ対象資産の損失の一部を補うものとして行う必要があります。

※バイナリーオプションには想定元本が存在しません。

投資戦略

バイナリーオプションやプレーンオプションの投資戦略について詳しく解説します。コールとプットの組み合わせにより、様々な投資戦略を組み立てることが可能です。

カバード・オプション

カバード・オプションとは、損失が無限大であるオプションの売りポジションの損失をカバーするような原資産を保有し、オプションを売ることです。 「原資産の買いまたは売り」と「オプションの売り」のポジションを同時に保有する手法になります。

FXの買いポジションを100円で保有し、権利行使価格110円、オプション料5円のコールオプションを売付けた場合。
原資産価格 85円 90円 95円 100円 105円 110円 115円 120円
損益 FXの買い -15 -10 -5 0 5 10 15 20
コールオプションの売り 5 5 5 5 5 5 0 -5
FXの買い+コールオプションの売り -10 -5 0 5 10 15 15 15

FXの買い

利益(無限)…価格が上がるほど利益が増えます。
損失(無限)…価格が下がるほど損失が増えます。

■FXの買いの損益図

FXの買いの損益図

コールオプションの売り

利益(限定)…権利行使価格よりも原資産価格が下がると利益となり、オプション料が最大利益になります。
損失(無限)…権利行使価格+オプション料より原資産価格が上がるほど損失が増えます。

■コールオプションの売りの損益図

コールオプションの売りの損益図

FXの買い+コールオプションの売り

利益(限定)…FXの価格(原資産価格)が95円を上回ると利益になりますが、最大利益は15円に限定されます。
損失(無限)…FXの価格(原資産価格)が95円を下回れば損失となり、FXの価格(原資産価格)が下落するほど損失が増えます。
⇒保有しているFXの価格(原資産価格)が先行きあまり変動しないと予想する時に有効となります。
FXの価格(原資産価格)が停滞した場合、またはFXの価格(原資産価格)が下落した場合の運用利回りは向上するものの、 FXの価格(原資産価格)が上昇した場合の利益は限定されます。(下図参照)

■FXの買い+コールオプションの売りの損益図

FXの買い+コールオプションの売りの損益図

プレーンオプションを組み合わせた投資手法

値上がりするか、値下がりするか方向は不確かだが、原資産価格が大きく騰落することを予想する場合の投資手法として、原資産価格より権利行使価格が高いコールオプションと原資産価格より権利行使価格が低いプットオプションを合わせて買い付ける手法があります。

原資産価格より権利行使価格が高いコールオプションの買い

利益(無限)…権利行使価格+オプション料より原資産価格が上がるほど利益が増えます。
損失(限定)…オプション料が最大損失になります。

■コールオプションの買いの損益図

コールオプションの買いの損益図

原資産価格より権利行使価格が低いプットオプションの買い

利益(無限)…権利行使価格-オプション料より原資産価格が下がるほど利益が増えます。
損失(限定)…オプション料が最大損失になります。

■プットオプションの買いの損益図

プットオプションの買いの損益

原資産価格<権利行使価格のコールオプションの買い+原資産価格>権利行使価格のプットオプションの買い

利益(無限)…(権利行使価格+オプション料×2)より原資産価格が上がるほど、または(権利行使価格-オプション料×2)より原資産価格が下がるほど利益が増えます。
損失(限定)…原資産価格が権利行使価格から±オプション料×2の範囲内の場合、オプション料×2が最大損失になります。
⇒レートの方向性が分からなくても、原資産価格が大きく騰落すれば利益が得られる投資手法になります。
価格が大きく動いた際は利益無限大となり、動かなかった際の損失は限定されます。(下図参照)

プット+コールの買い

値上がりするか、値下がりするか方向は不確かだが、原資産価格が安定し、騰落幅が小さいと予想する場合の投資手法として、 原資産価格より権利行使価格が高いコールオプションと原資産価格より権利行使価格が低いプットオプションを合わせて売付ける手法があります。

原資産価格より権利行使価格が高いコールオプションの売り

利益(限定)…権利行使価格よりも原資産価格が下がると利益となり、オプション料が最大利益になります。
損失(無限)…権利行使価格+オプション料より原資産価格が上がるほど損失が増えます。

■コールオプションの売りの損益図

コールオプションの売りの損益図

原資産価格より権利行使価格が低いプットオプションの売り

利益(限定)…権利行使価格よりも原資産価格が上がると利益となり、オプション料が最大利益になります。
損失(無限)…権利行使価格-オプション料より原資産価格が下がるほど損失が増えます。

■プットオプションの売りの損益図

プットオプションの売りの損益図

原資産価格<権利行使価格のコールオプションの売り+原資産価格>権利行使価格のプットオプションの売り

利益(限定)…原資産価格が権利行使価格から±オプション料×2の範囲内の場合、オプション料×2が最大利益になります。
損失(無限)…(権利行使価格+オプション料×2)より原資産価格が上がるほど、または(権利行使価格-オプション料×2)より原資産価格が下がるほど損失が増えます。
⇒レートの方向性が分からなくても、原資産価格の騰落幅が小さいと利益が得られる投資手法になります。
原資産価格の動きが小さい場合はプレミアム分が利益となりますが、大きく動いた際の損失は無限大となるリスクがあります。(下図参照)

プット+コールの売り

バイナリーオプションの種類

バイナリーオプションには、通常のバイナリーオプションの他にいくつか種類があります。

レンジオプションは、判定時刻にレンジ内に価格が収まっている場合は利益となり、レンジの外に価格が出た場合は損失となります。(下図参照)

レンジオプション

ワンタッチオプションは、判定時刻までに目標価格に一度でも達した場合は利益となり、目標価格に達することなく判定時刻を迎えた場合は損失となります。(下図参照)

ワンタッチオプション

ノータッチオプションは、設定価格に達することなく判定時刻を迎えた場合は利益となり、判定時刻までに一度でも設定価格に達した場合は損失となります。(下図参照)

ノータッチオプション

バイナリーオプションを組み合わせた投資手法

権利行使価格の低いバイナリーコールオプションと権利行使価格の高いバイナリープットオプションを取得することで、判定時刻に一定のレンジ内に原資産価格が収まると予想した場合に有効なレンジオプションに似た取引手法を行うことができます。

以下は一例になります。

バイナリーコールオプションの買い

利益(固定)…判定時刻に原資産価格≧権利行使価格の場合、ペイアウト金額-オプション料が利益になります。
〈例:10,000円-6,000円=4,000円〉
損失(固定)…判定時刻に原資産価格<権利行使価格の場合、オプション料が損失になります。
〈例:6,000円〉

■バイナリーコールオプションの損益図

バイナリーコールオプションの損益図

バイナリープットオプションの買い

利益(固定)…判定時刻に原資産価格<権利行使価格の場合、ペイアウト金額-オプション料が利益になります。
〈例:10,000円-5,300円=4,700円〉
損失(固定)…判定時刻に原資産価格≧権利行使価格の場合、オプション料が損失になります。
〈例:5,300円〉

■バイナリープットオプションの損益図

バイナリープットオプションの損益図

バイナリーコールオプションの買い+バイナリープットオプションの買い

利益(固定)…2つの権利行使価格の内に原資産価格が収まった場合はコールとプットのペイアウト金額-コールとプットのオプション料が利益になります。
〈例:20,000円-(6,000円+5,300円)=8,700円〉
損失(固定)…2つの権利行使価格の外に原資産価格が出た場合のプットの利益-コールのオプション料またはコールの利益-プットのオプション料でマイナス分が損失になります。
〈例:4,000円-5,300円=1,300円または4,700円-6,000円=1,300円〉
⇒判定価格がレンジの中であった場合にペイアウトとなるレンジオプションに似た投資手法になります。
(下図参照)

■権利行使価格の低いバイナリーコールオプション+権利行使価格が高いバイナリープットオプションの損益図

バイナリープットオプションの損益図

権利行使価格の高いバイナリーコールオプションと権利行使価格の低いバイナリープットオプションを取得することで、判定時刻に原資産価格が一定のレンジの外であることを予想した場合に有効なレンジオプションに似た取引手法を行うことができます。

以下は一例になります。

バイナリーコールオプションの買い

利益(固定)…判定時刻に原資産価格≧権利行使価格の場合、ペイアウト金額-オプション料が利益になります。
〈例:10,000円-1,000円=9,000円〉
損失(固定)…判定時刻に原資産価格<権利行使価格の場合、オプション料が損失になります。
〈例:1,000円〉

■バイナリーコールオプションの損益図

バイナリーコールオプションの損益図

バイナリープットオプションの買い

利益(固定)…判定時刻に原資産価格<権利行使価格の場合、ペイアウト金額-オプション料が利益になります。
〈例:10,000円-1,000円=9,000円〉
損失(固定)…判定時刻に原資産価格≧権利行使価格の場合、オプション料が損失になります。
〈例:1,000円〉

■バイナリープットオプションの損益図

バイナリープットオプションの損益図

バイナリーコールオプションの買い+バイナリープットオプションの買い

利益(固定)…2つの権利行使価格の外に原資産価格が出た場合はコールのペイアウト金額-コールとプットのオプション料またはプットのペイアウト金額-コールとプットのオプション料が利益になります。
〈例:10,000円-(1,000円+1,000円)=8,000円〉
損失(固定)…2つの権利行使価格の内に原資産価格が収まった場合はコールのオプション料+プットのオプション料が損失になります。
〈例:1,000円+1,000円=2,000円〉
⇒判定価格がレンジの外であった場合にペイアウトとなるレンジオプションに似た投資手法になります。
(下図参照)

■権利行使価格の高いバイナリーコールオプション+権利行使価格が低いバイナリープットオプションの損益図

権利行使価格の高いバイナリーコールオプション+権利行使価格が低いバイナリープットオプションの損益図