EAのパフォーマンス評価②損益曲線とトレンドライン

山中康司プロフィール画像

前回のまとめとして「損益曲線にトレンドラインを引く」ことで、そのEAのパフォーマンスのおおよその傾向がわかることを説明しましたが、

ひとつ注意しなくてはならないことがありますので、今回はその点についての補足から始めましょう。

前回の最後に用いた図からUSDJPYの損益曲線を再掲します。

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この損益曲線が以下のような損益曲線の一部だとしたらどうでしょうか。

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緑のラインで示したレジスタンスラインを上抜けているという点では良いかもしれませんが、仮にグラフの右端の損益曲線がレジスタンスラインよりも下にあったとしたら、どう見てもよろしくありません。

おそらくEAの稼働は様子見ということになるかと思います。
EAに関しては直近のマーケットの動きと合っているかどうかという点は重要ですが、長期の損益曲線も見た上で、直近の損益曲線の状態をチェックすることが望ましいと言えます。

その場合、右側の赤い四角で囲んだ場所の数値を確認すれば長期的にプラスなのかマイナスなのかは一目でわかりますね。
今回は損益曲線から一歩進めて、MT4のテスターに表示されるレポートタブから得られる情報の内、ここだけは押さえておこうというポイントを解説します。

テスターのレポート

前回と同じ期間(2016年1月24日~2017年1月24日)の検証結果を用いますが、レポートタブを見ると以下のような多くの情報が並んでいることがわかります。 ※画像はクリックで拡大可能

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純益は先の損益曲線でも確認できますが、それ以外の数字からそのEAの詳細が見えてきます。

中上級者の方は、こうした数字をより細かく分析することでEAの稼働を決めたり、またEAが不調になる兆しを見つけ出して、EAの調整を行ったりするのですが、ここでは以下の3点だけをチェックすることでそのEAのパフォーマンスを判断することにします。

(1) プロフィットファクタ

総利益と総損失の比率です。総利益が総損失を上回っていれば1.0以上となり、総損失が総利益を上回っていれば1.0未満となります。

つまり、プロフィットファクタが1.0以上でないとそのEAは利益を出していることになりませんので、1.0以上、なるべく大きい数字が望ましいと言えます。

ただし、あまりにプロフィットファクタが大きい場合(5.0以上といったケース)には、過剰に最適化することでその時点でのみ総利益が上がるような人為的な加工が行われている懸念もあり、注意が必要です。

(2) リスクリターン

期間内における純益と最大ドローダウンとの比率です。純益が最大ドローダウンよりも大きければ1.0以上となり、純益が最大ドローダウンよりも小さければ1.0未満となります。

後者の場合、EAの稼働をスタートする時点によってはパフォーマンスがマイナスとなることを示していますので注意が必要です。

この数字もなるべく大きい方が望ましいと言えます。

(3) 破産確率

勝率とペイオフレシオ(=平均利益と平均損失の比率)から導きだされる確率で、そのEAを継続して稼働させた場合に破産する確率がどの程度あるのかを示す数値です。

まず勝率ですが、これは全体の取引数のうち利益の出た取引数をパーセントで示したものです。

ペイオフレシオは、プロフィットファクタと似た計算ですが、こちらは平均勝トレードと平均負けトレードの比率で求めます。

それぞれの数値から以下のマトリクスで破産確率を求めます。

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このマトリクスでは取引1回あたりの最大損失額を証拠金全体の5%として計算しています(証拠金が100万円の場合、1回の取引における最大損失額が5万円)。

逆にレポートの数字から得られる最大負けトレードの金額が証拠金の5%未満となっていれば、上のマトリクスがあてはまります。
通常、1回あたりの最大損失額は5%未満(理想的には2~3%程度未満)が望ましい金額となりますので、それであれば、上記マトリクスによって得られる破産確率よりは低いということとなるわけです。

なお、このマトリクスは異なった数値のもの(勝率50%と平均利益損失比の交わる位置が50%のもの)が紹介されていることがありますが誤りです。こちらの正しい計算結果によるもので確認してください。

確認方法は勝率と平均利益損失比が交わる位置の破産確率が5%未満(緑色で着色した範囲内)であれば、そのEAは継続して稼働できるであろうと考えられます。

●FXTF RSI 50をチェック

それではFXTF RSI 50の結果を順に見ていきます。
(EAのダウンロードと解説についてはこちらの過去記事を参照下さい。)

(1)プロフィットファクタ

1.50となっていて、十分に1.0以上の数値であり問題無いと言えます。
(2)リスクリターン

純益が3750.81、最大ドローダウンが2242.13です。3750.81÷2242.13=1.67となりますので、こちらも問題ありません。
(3)破産確率

まず勝率は35.65%です。平均利益損失比は、274.79÷101.56=2.70となります。

勝率35%の行の平均利益損失比2.50の列を見ると破産確率は3%となっていて、実際には平均利益損失比が2.70とそれよりも大きい数値となっているため限りなく0に近く、こちらも問題ありません。

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上記3点から、FXTF RSI 50を稼働させることは現時点では問題無いと判断することが可能です。

なお、実際の稼働後にも適宜これら3項目を損益曲線の形状とともにチェックすることで、EA稼働の安全性を測りながら運用を続けていくことが可能となります。

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。

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